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上野 隆; 天野 光; R.L.R.Chandrajith*; 奥村 稔*
The Fate of Mercury in Gold Mining and Measures to Control the Evironmental Pollution in Various Con, 0(0), p.52 - 60, 1996/11
原子力の平和利用及び環境安全評価の観点から、環境中の放射性核種のみならず安定元素(重金属・有害元素等)についても、リスクを同等に評価することが必要である。また、湖沼は流域からの移行を反映して堆積物中に汚染等の歴史を残すため汚染調査の面からも解析が重要である。これらの研究に至るステップとして3つの湖底堆積物中の放射性核種及び水銀の鉛直分布を求めた。また、Pb-210を用いて堆積速度を求め、堆積物各層の年代を測定した。その結果、フォールアウト核種であるCs-137及び水銀の濃度にピークがみられ、その年代から、Cs-137については、地表面蓄積量のピーク年代と一致すること、水銀については1950から1960年代に広く使用された水銀を含む農薬の使用による影響が示唆された。このように湖底堆積物は流域の環境の状況を反映しており、環境モニタリングにおいて重要な測定対象であることが明らかになった。
安江 健一; 廣内 大助*; 松原 章浩; 國分 陽子
no journal, ,
地層処分のサイト選定や原子力施設の耐震評価においては、断層の活動時期の把握が重要である。活断層の活動時期を正確に把握するためには、断層周辺の堆積物について確度の高い堆積時期の決定が必要である。そのため、本研究では、断層周辺の黒色土を用いて、深度方向に連続的な放射性炭素年代の分布を明らかにし、活断層の活動に係るイベントの認定について検討した。測定試料は、横ずれ活断層である阿寺断層のトレンチ壁面から採取された黒色土である。測定の結果、約1万2千年前の値が得られ、深度が浅くなるに連れて若くなる傾向が認められたが、一部で速度が速くなる部分(約7,500年前、約2,000年前)や年代値が逆転する部分(約6,000年前、約4,000年前)が存在する。これらは、断層変位の低下側での堆積量の増加、断層変位や地震動による崩壊に伴う下位層の混入が考えられる。このように、黒色土の放射性炭素年代測定を連続で行うことで、これまで見落とされていた地質イベントも検出できる可能性がある。本結果の解釈については、阿寺断層全体の活動セグメントの問題も踏まえて慎重に検討する必要がある。